最大化と満足化
ここでいう「最大化と満足化」とは、何かを選ぶとき、その方法の違いのことです。
- 最大化:自分にとって最高のものを求める。
- 満足化:自分にとって必要十分なものを求める。
最大化を望む人には、自分にとってよりよい選択肢にたどり着きやすい、という利点があります。
しかし、モノや情報にあふれた現代社会では、選択肢そのものがほぼ無限に用意されているため、真の最大化を成すことまず不可能です。
そのため、もっと良いものが選べたはずなのに…と選べなかったもののことを考え、選んだものに後悔してしまいます。
一方で、満足化を望む人は最初から最高のものを求めていないため、与えられた選択肢の中から選んだものに満足できます。
より良いものに惹かれない訳ではありませんが、だからといって自分が選んだものに後悔はありません。
満足する基準は人それぞれですし、現代社会では満足化でさえ実現するのは簡単なことではありませんが、これで十分満足だ、と思えるのであれば、それは十分に幸せなことでもあるのです。
最適化と満足化
私たちは何かを判断するとき、合理的な意思決定を目指し、最適な選択をしたいと願う一方で、それに必要な知識や情報を持ち合わせていないことがほとんどです。
さらに、人の脳の記憶領域に保持できる情報はごくわずかで、知性にも限界があります。
そもそも何が最適なのか、それを理解する能力は非常に限られています。
結果として、私たちは受け入れ可能な水準に達している答えを見つけ、満足するまで答え探しをしているにすぎません。
つまり、最適な答えなど見つけられないのです。
ですので、最適な答えを見つけられず判断を誤ったからといって極端に落ち込むことはありませんし、何が最適な選択なのかわからないからといって躊躇することもありません(もちろん反省と熟考は必要です)。
私たち人間には、トライアル&エラー(試みと失敗、試行錯誤)を繰り返すことしかできないのです。
しかし、そうやって最適な答えを探し求めることは可能です。
それを最大化しようとするか、これで十分とほどほどで済ませるか、答えは人それぞれに違います。