合成の誤謬とは
合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)とは、一人一人が正しいと思う行動をしたのにも関わらず、全体としてみれば間違った結果が導き出されてしまう現象のことをいいます。
(誤謬は「まちがい」という意味)
合成の誤謬の例としては、貯蓄のパラドックスが有名です。
貯蓄する(お金をためる)のはいいことだとされています。
しかし、多くの人が貯蓄しようとすると、お金を使う人が減ってモノが売れなくなります。
するとお店や企業の売上が落ち、それが続くとやがて不景気になり、働く人たちの給料が減っていきます。
その結果、貯蓄ができない、もしくは貯蓄を切り崩さざるを得ない、という当初望んでいたものとは真逆の状況になってしまうのです。
そもそも何が正しいのか
合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)は、個人個人の正しいとされる行動を否定しているわけではありませんし、みんなで正しいことをしても間違った結果しか出ない、といっているわけでもありません。
正しいことをして正しい結果が得られることはもちろんあります。
ですが、正しいことを重ねて実行したからといって、常に正しい結果が得られるわけではない、ということを認識しておくのは重要です。
そうでないと、「正しい(と思う)ことをしているから絶対にうまくいく!」「みんなで正しい(と思う)ことをしなければならない!」なんていう、実はまったく何の根拠もない自信に固執することになりかねません。
それに、どんなに正しく頑張ったとしても結果はなかなか思うようにならないものですし、そもそも何が本当に正しいのかなんて誰にもわかりません。
それでも正しと思うことがあるのなら、間違いを覚悟で前進していく、という開き直りも大切です。
参考ブログ:アタリマエ!