学習性無力感とは
無力感とは、自分には何もできない、何をやっても無駄、という絶望にも似た感覚のことです。
目の前に立ちはだかる壁が大きすぎて、こういった無力感を感じてしまうことは誰にでも経験があると思います。
そしてこの無力感は、 長期間に及ぶ回避できない苦痛にさらされ続けることにより、自分の性質として「学習」してしまうことがあります。
これを学習性無力感といいます。
無力感を学習してしまうのは、おもに環境に問題があるときです。
たとえば、家庭や学校という逃げることのできない環境の中で発生する、継続して行われる暴力や暴言、人格否定、いじめなどは、ほとんど回避不可能であり、このような環境に身を置かされた人は、どうしようもない無力感を学習してしまうことになります。
また、努力しても望む結果が得られないような状態が続く場合も、無力感を学んでしまいます。
無力感は一度の大きな挫折よりも、小さな挫折を積み重ねるときに生じやすいといいます。
前向き思考で行こう
無力感を乗り越えられるのは前向きにものごとをとらえられる人です。
前向きな人は、自分の苦しみは一時的で特定の原因があると考えるため、問題に対処しようします。
何をやっても無駄などと考えず、どうにかできるはずだと前向きに思考するのです。
そのため問題が大きすぎてうまくいかなくても、あきらめずにトライし続けます。
もちろん、前向きな思考ですべてを解決できるわけではありません。
しかし、ものごとを前向きにとらえる人は、たとえ失敗し、問題を解決できなかったとしても、だから自分はダメだとは考えず、そこから学び次につなげようとします。
自分の力不足や、努力が足りなかった可能性と向き合い、改善を目指します。
そして、いつかめぐってくるチャンスをものにしようと考えるのです。
逆に後ろ向き思考の人は、無力感を学んでしまうとなかなかそこから抜け出せません。
まさに「何をやっても無駄」「自分にできるのはこれくらい」と悲観に暮れているので、チャンスに恵まれることも難しくなります。
もしも「自分は何をやってもダメ」という無力感に苦しんでいるのなら、前向き思考を取り入れて、目の前の問題と向き合う努力をするのがよいのかもしれません。