【真実性の錯覚】人は自分がよく知っている事を真実だと思い込む

bias-思い込み

真実性の錯覚とは

私たち人間には、見なれたことや聞きなれたことを真実だと錯覚してしまう、という特徴があります。
特に自分で調べたわけでもない話であっても、みんながそう言っているから、という理由だけで「真実」であると思い込んでしまうのです。

たとえば、「血液型で人の性格を分類できる」「才能ある人が成功する」「幽霊は存在する」という話はよく耳にしますし、テレビなどで目にする機会も頻繁にあり、真実であるかのように考えてしまいがちです。

実際は、4つの血液型だけで人の性格を判断できる訳はなく、成功した人は才能よりも運に恵まれた人であり、幽霊は存在しそうで存在しません。

しかし、厄介なことに私たちは「信じたものを信じる(確証バイアス)という性質まで持ち合わせているため、一度真実であると思い込んでしまったことを、確かな根拠もないまま真実だと信じ続けてしまいます。

嘘でも真実だと錯覚する

見慣れていたり聞きなれていることを真実だと思い込んでしまう、それはつまり、私たちは意図的な「嘘」であっても「真実」だと錯覚してしまうということです。

あからさまな嘘や、自信なさげな嘘はバレやすいものですが、世の中には自信満々に巧妙な嘘をつく人がいくらでもいます。

そのような嘘はバレないどころか人々に真実だと錯覚されるため、上手に嘘をつく人は周囲の人たちから尊敬や人望を獲得し、皆の人気者であることも珍しくありません。

ですから、噓つきは何度も何度も同じ嘘を繰り返します。

そして驚くべきことに、人は一部の言葉に聞きなじみがあるとき、その言葉が入った文章全体を真実だと錯覚してしまう傾向が増すといわれています。

たとえば「鶏の体温は」という言葉を繰り返し聞かされた人は、「鶏の体温は37度である」という表現を特に何も考えず正しいと判断しやすくなるのです(鶏の体温は41.5度前後)。

間違いや嘘を信じるのが嫌なら、真実を探しに行こう

嘘つきの嘘を信じ、騙されたあげく、その相手を好きになる、なんて考えただけでもゾッとしますが、悲しいことに実はよくある話です(現に詐欺師というものが存在します)。

そうなりたくないのなら、よく目にすることや皆が言っていること、だれかが繰り返し語ることが本当なのかどうか、何事も自分でしっかり調べてみることが大切です

それはメンドクサイ作業ですし、口でいうほど簡単なことではありません。
なにせ自分が信じていることを否定しようとすると、自分自身の脳が激しく拒否反応を示してくるので、何が真実なのかを探すのは本当につらい作業でもあります。

しかし、何が間違っていて何が嘘なのかを見極め、真実が何かを確かめるというのはとてもワクワクする作業ですし、嘘を見抜き真実にたどり着いたときは、とても素晴らしい達成感や解放感を得ることができます。

まずは私が言っていることが真実か嘘か、確かめてみるのも面白いかもしれません。

参考:ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?
名探偵コナン 犯人の犯沢さん(1)
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1)

タイトルとURLをコピーしました