【内向性】自分と向き合える人の強さとは?

内向性 personality-個性

内向性と外向性

世の中には内向的な性質をもつ人と外向的な性質をもつ人がいますが、その特徴には以下のような違いがあります。

内向性:興味や関心が自己の内面に向けられていて、思慮深く控えめ、実行力や社交性に乏しい性格特性

外向性:興味や関心が自己の外に向いていて、決断が早く大胆だいたん、行動的で社交的な性格特性

要は性格の違いですが、この違いは一見すると内向性が外向性にくらべて劣った性格特性であるかのように見えてしまうかもしれません。

実際に、社会では外向性は伸ばすべき長所であり内向性は直すべき短所である、とみなされる傾向があります。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

内向的な人の強み

内向的な人は人付き合いが苦手で集団の輪から浮いたり、はじかれたりしてしまいます。

下手をすればいじめの対象にもなりやすく、はた目にはパッとしない人生を送ることになるでしょう。

しかし、それこそが内向的な人の強みです。

内向的な人は友達が少ない分、一人で何かに取り組む時間がたっぷりとあります。

外交的な人が社交的で華々しくはありますが、本当に重要な何かに集中して取り組むことができないでいる中、

内向的な人は一度何かに本気で取り組もうと決めたのなら、それに没頭し、自らのスキルをどこまでも伸ばすことが可能なのです。

結果として、内向的な人には能力の高い人が多くなる傾向にあります。

だからといって内向的な人はだれでも優秀ということではありませんし、もちろん外向的な人の能力が低いということでもありません。

そもそも、外向的な人は外的な成功をおさめやすく高収入、さらに運もよくて人生の満足度は上々です。

それに結局のところ、内向的な人は外向的な人を必要としていますし、外向的な人も内向的な人を必要としています。

おかしなのは、外向性は良いことで内向性は悪いことだとする世の中の風潮です。

何ごとバランスが肝心かんじんです。

内向的な人の特性がもっとポジティブに評価され、外向的な人と長所を活かしあい短所をおぎないあう関係が築ければ、世の中は今よりもきっとよくなるはずです。

互いの違いを認めあう、すなわち多様性に価値があるということは、今や多くの人が認める事実でしょう。

内向型と外向型を分けるもの

人を内向型と外向型に分けるものは何なのでしょうか。

それは刺激に対する反応の違いではないかと考えられています。

高反応と低反応

子どもたちを乳児期から思春期まで追跡調査した研究によって、

赤ん坊のころ、刺激に対して元気よく泣いたり手足をばたつかせたりする子(高反応)は将来内向的な人間になる傾向があり、逆にリアクションをあまり示さない子(低反応)は将来外交的な人間になる傾向がある、ということが確認されています。

この研究が興味深いのは、刺激に対する反応と性格の特性が直感的なイメージとは逆の結果を示したことです。

直感的には、刺激に敏感な高反応が外向性と、鈍感な低反応が内向性と結びつくと考えてしまいがちですが、実はそうではないのです。

つまり、内向的な人が人付き合いを苦手に感じるのは、人と接するときの刺激に強く反応してしまう結果、それを避けようとするからであり、外向的な人が人付き合いを充実させられるのは、人との接触による刺激に動じない神経を備えているから、ということです。

この事実を知れば、内向的な人は人間嫌いで、外向的な人は人間好きである、という印象が全くの誤解であることがわかります。

単に刺激への反応が違うだけなのです。

敏感さと良心のつながり

刺激に敏感で感受性の鋭い内向的な子は、自分の間違った行動に対して罪の意識を持ちやすく、それゆえに彼らの人生は苦しいものになります。

身の周りにあふれる危険な出来事(両親の不仲や虐待、教室にはびこるイジメ)に敏感に反応し、社会不安障害に悩まされることもあります。

しかし、それゆえに良心の備わった人間に育ちます

もしも安定した家庭環境で育つことが出来れば、情緒的に安定し、親切さと誠実さをあわせもった強い人間に育つ可能性もあります。

もちろん、刺激に敏感な内向的な人間が、だからといって善人であるというわけではありません。

内向的な人も身勝手で非道徳的な行動に及ぶことはあります。

ですが、内向的であること、それ自体に社会から評価されるべき資質が宿っているのは確かなことです。

内向的な人は遠慮せずにその事実を受け入れ、内向性はダメな特性だという社会の間違ったレッテル張りに屈することなく、

自信をもって自分の特性を長所としてを発揮する生き方を探したほうが、充実した人生を送れるかもしれません。

「内向型=内気」ではない

内向的な性質と似て非なる性質に内気うちきがあります。

内気:気が弱く、人前で思うように振る舞えない性質。恥ずかしがり屋。シャイ。

内気な人は、他人に非難されることを恐れたり自分に自信がなかったりするせいで、自分の殻に閉じこもってしまっている状態にあります。

意識が自分の内側に向いている点は内向的な人と同じですが、内気が内向性と違うのは、そこに恐れの感情がある点です。

内向的な人はただ刺激が強すぎない環境を好んでいるだけで、外の世界に対する恐れや自信のなさがあるわけではありません。

もちろん、内向的で内気な人はたくさんいますが、外向的で内気な人もいるのです。

そして、内気は内向性と違い克服を目指した方がよい性質でもあります。

内気を克服する

内気てあることの根本的な問題は、自分を他人と比べることでしか評価できないその人のマインドセット(心のあり方)にあります。

自分が他人からどのように見られているかが気になるので、人前で失敗するのを恐れ、委縮し、最終的に自分の殻に閉じこもってしまうのです。

ですので、内気を克服するには他人と自分を比較するのではなく、今の自分と比較し、少しでも成長しようと努力する前向きさが必要になります。

比較の対象を自分自身に変えてしまえば、他人からの評価を恐れる必要はなくなります。

そして、不慣れなことや不得手ふえてなことを失敗するのは当たり前のことと理解し、その失敗から学んで成長することを目指せば、失敗は恐くなくなりますし恥を感じるようなことでもなくなります。

そうやって内気を克服することが出来れば、内向的な人も外向的な人も、その特性を最大限に活かすことが可能になるでしょう。

参考:内向型人間のすごい力
超一流になるのは才能か努力か?
残酷すぎる成功法則
マインドセット「やればできる! 」の研究

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